口の軽い人 (2022年1月)

むかし身内の披露宴だか結婚披露パーティーだかがあって、大学生だった妹と、なぜか妹の当時付き合ってた人(大学の友だち)も出席した。

会場で妹が結構かさばる紙袋に入ったもの(引出物の類いではなく何か貸そうとしたか返そうとしたか)を渡そうとしたら、妹の当時付き合ってた人は「今もらってもしょうがない」と言ってポケットから手を出さず、振袖を着た妹が、パーティーのあいだその大きい紙袋を持っていた。

私はやり取りを見て、「持ってあげないんだね」とつぶやいた。母親が近くで聞いていたので、私がそう言ったと妹に話さないでほしいと頼み、母親は言わない旨答えたが、話すだろうなと思った。

案の定、翌日くらいに私の留守電に妹の声で「○○ちゃんにそんなこと言われる筋合いないからね」というメッセージが入っていた。

うん、妹の言う通りだ。誰と付き合おうとそんなこと言われる筋合いはない。私は言わなくていいことを言ったし、母親のように口が軽くて約束の守れない人に聞かれたのは迂闊すぎた。

母親は妹の付き合っていた人が気に入らず、かといって独力では十分な反対理由を提示できず、私のうっかり発言を「○○ちゃんも言ってたよ」と、自分の主張の補強に利用したと思われる。

これとは別の話だが、母親は別の妹の付き合ってた人も気に入らず、自分が株式投資していたxx証券の支店の担当者と結婚しろと言い張ったこともあった(先方の意向は不明)。

母親はこの株屋の口車に乗って夫名義で信用取引をして、のちに多額の損失を被った。そんな詐欺師を、どうして娘と結婚させようと思うほど信頼したんだろうか。人を見る目がなかったにしても酷すぎる。

もしかして株屋と身内になっとけば騙されないとか思ったのか。

2022/1/6記

〈解説〉父親が公務員で母親も大して働いてなかったのに複数の子どもを大学にやれたのは、母親の株式投資や不動産投資が儲かっていた時期もあるからではないかと思う。母親の投資行動から学習したことにより、私は必要な金は働いて稼ぎ、元本保証でない投資はしたことがないし今後も決してしない。