なんか人のこと祝いたがるよねって話 (2021年11月)

以前働いていた会社で、地方から本社に転勤するのを機に、当時付き合ってた人と一緒に大きめの部屋を借りしばらく同居した。

転勤前に、その話を聞いた同僚の男の子数人が、職場で大嫌いな長渕剛の歌を合唱した。大嫌いな歌をフルコーラスで聞かされて、悪気はないことはわかるから怒るわけにもいかず困った。

同居だと説明したのだが、私が姓を変えたくないから事実婚するんだろうとみな勝手に解釈した。

転勤後には同期が「だって○○ちゃん損しちゃう」と、熱心に会社に結婚祝い金を申請するよう説得を試みようとしてきた。さらに職場に奉加帳を回そうとしたから阻止した。

同期はそのあと職場の皆から祝い金をもらい上司にも披露宴に参列させて結婚したが数年で離婚した。離婚の際には彼女から説明はなく皆に祝い金も返金しなかった。

仕事関係で個人的なことに私は立ち入られたくない。彼女にもその気持ちがわかっただろうか。

余談ながら私は生の甲殻類が食べられないのだが、私が「食べられない」というと彼女は「○○ちゃんエビとカニが嫌いなのね」と言い張って、「食べられない」という説明をどうしても受け入れなかった。

その後、同期が産んだ子どもは比較的重い食物アレルギーで、すると彼女は突然アトピーに関する原稿を企画するようになった。

自分がその立場にならなきゃわからない人っているんだと思う。

この雑文は「結婚は勝手にするものだし、友人である私には関係がないことなのに、なぜ祝わなければならないのか」という人生相談を見て共感のあまり思い出したことに、若干の虚構を混ぜて書いた。

2021/11/25記

〈解説〉どうでもいい記憶に若干の虚構を混ぜた

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