年末雑感 (2021年12月)

18歳くらいで家を出て、いちど戻ってそのあと25歳くらいでまた家を出て、以来1度もホームシックになったことはないと私は人に言ってきて、それは嘘ではないのだけれども、出てきた家のことや、もういない人たちのことはあまり考えないようにしてきたのは、たぶんなんとなく封印していたんだと思う。

いまはもう母も亡くなって10年以上になるし、悪夢も見なくなって何年もたつから、諸々そういうことは考えてもそろそろ大丈夫かもしれない。

ことしになって昔のことを、他愛のない話ばかりではあるけれど、少しここで雑文に書くようになったのはそういうことなんだろう。

記憶が人を脅かすことも、年月とともに効果は薄れていくのかもしれない。多くの呪いがそうであるように。

人はいつまでも生きていられないし、そうあってほしいものだと願っている。

2021/12/31記

〈解説〉特になし

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